縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

蓮華残欠(れんげざんけつ)は、正倉院に保存されている仏教の荘厳具または供養具である。

概要

池に浮かぶ蓮の花、葉、蕾をかたどる。ホオ材をくり抜いて下部に池を作り、周囲に岩石をかたどる堤を作り、池の中央に十字型の州浜を作り出す。州浜から金銅製の茎をのばす蓮が枝分かれし、茎の先端に木製の蓮華、蕾、蓮の花を取り付ける。蓮花と蕾は黒漆地に金箔、開いた花と萼は黒漆地に銀箔を貼る。蓮華の花弁は蓮肉の側面に取り付けた小さな釘に一枚ずつ差し込んで固定する。

構成

堤は白下地に赤、緑、茶、銀色で彩色を施し、州浜には金箔を貼る。池の底に白砂を敷き、貝殻を散らしている。
もともとは台座に載っていたとみられる。正倉院に残る八角形の櫃(中倉202)は蓮華残欠の底の外形や釘孔と一致しているから、蓮華残欠を載せた台の一部とみられる。「六角几甲板 」(正倉院に残る台座らしい板)に開眼会が執り行われた「天平勝宝四年四月九日」や「七茎金銅花座」の墨書が残る。東大寺の寺誌「東大寺要録」にも開眼会の際、造花が堂内を飾ったことがうかがえる。
また板に付属する床脚と推測される部材が残る。大仏開眼会で使用された品とみられる。
立体的な造形は現代のテラリウムと類似する。「テラ(terra)= 大地・陸地」と「リウム(arium)= 場所」を合わせた造語である。

管理

  • 名称:蓮華残欠
  • 倉番:南倉 174
  • 用途: 仏具
  • 技法:木竹工
  • 寸法:径33.0、総高30.0
  • 材質・技法 :

出展歴

  • 名称:蓮華残欠
  1. 1996年 - 第48回
  2. 2010年 - 第62回
  3. 2022年 – 第74回

参考文献

  1. 奈良国立博物館(2008)『正倉院展60回の歩み』奈良国立博物館
  2. 奈良国立博物館(2022)『正倉院展第74回』仏教美術協会

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