縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

新羅琴 金泥絵木形(しらぎごと きんでいえきがた,Shiragi-goto Harp)は、平安時代の朝鮮半島起源の撥弦楽器である。

概要

新羅楽に用いられた12絃の琴であり、「伽耶琴」とも呼ばれる。

構造

桐材から一木で彫り出したくりぬきで、裏板はなく、尾端部に「羊耳」と呼ばれる緒止めを差込んであるのが特徴である。指に爪をつけて弾かず、直接、指で弦を弾いたり、つかんで離すなどして、演奏する。新羅琴はわが国で平安時代初期まで用いられた。平安時代まで貴族が演奏した。正倉院に奈良時代の琴の実物三面が残る。
槽の背面は空洞で、龍尾端に羊耳型の緒留めが付く。槽の表裏や龍角に金泥絵?の痕跡が残っている。金泥画はほとんど落剝しているが、緒留の華文や腹内の金薄押絵は優美な姿を残す。龍角は旧物、欅材の緒留も完全で十二孔をうがつ。琴柱は黒柿製の4個が古く、弦に連結された赤染の麻緒は古製であり、緒留に巻き付けた余りを編んで垂らす。

貸出

国家珍宝帳」に記載される「金鏤新羅琴」があったが、823年?(弘仁?14年)に出蔵され正倉院から貸し出したところ、違うものが代納品が返納された。それは本品である(参考文献1)。雑物出入帳に「一面 表啚木形金泥書 遠山并雲鳥草等形 罸面畫日象」と記載される。

形状

十二本の絹糸の弦は新調である。赤いヒモが取り付けられており、楽器本体を首や肩に掛けて演奏したようである。金泥絵はほとんどが剥落しているが、緒留の華文や腹内の金薄押し絵が残る。欅材の緒留は十二孔があけられる。琴柱?黒柿製の4個が古いものである。

製作

古代朝鮮の民族楽器である。『三国史記』によると、伽耶国で作られ、のちに新羅で流行したとされる(三国史記 志第一・楽)。6世紀に伽倻国嘉実王が中国の箏を模して作り,楽人の于勒が12曲を作曲した。もとは古代朝鮮の伽耶で作られ、新羅で流行した。日本には新羅経由で伝わったため新羅琴の名称となる。

出陳年

  • 1961年 第14回
  • 1969年 第22回
  • 1980年 第33回
  • 1993年 第45回
  • 2007年 第59回
  • 2018年 第70回

管理

  • 倉番 : 北倉 35
  • 用途 : 楽器・楽具
  • 寸法 : 全長154.2cm, 幅上方で30.6cm 羊耳型幅37.0cm
  • 材質・技法 : 桐 羊耳型は欅 表は金泥絵・腹内に截金 緒は赤染の麻(苧麻)・絃

関連品

参考文献

  1. 奈良国立博物館(1980)『第33回 正倉院展目録』奈良国立博物館

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