縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

緑牙撥鏤尺(りょくげばちるのしゃく,Green-stained Ruler with Bachiru Decoration)は正倉院に収蔵されている一尺の物差しである。

概要

甲と乙とがある。国家珍宝帳記載の品で、「緑牙撥鏤尺二枚」の甲と乙である。赤漆文欟木御厨子に納められていた。象牙の全面を染め、表面を浅く掘って文様を彫る撥鉚?技法で装飾される。寸の目盛りだけのため、実用性がなく、儀式用の尺と考えられる。

構成

象牙を染め、その表面を彫って文様をあらわしている。表は一寸ごとの界線で10区画に分け、宝相華文?含綬鳥を交互に配置し、小禽類、カモ、ヤツガシラ?鴛鴦?を彫る。裏面は区画を作らず、下方に山岳を表し、鳳凰サンジャク?、小禽類、ヤツガシラを表す。
『大唐六典』によれば毎年二月二日に撥鏤尺と木画紫檀尺を皇帝に捧げる儀式が行われていた。

材料

象牙製である。

展示歴

緑牙撥鏤尺 甲

  1. 1966年 - 第19回
  2. 1986年 - 第48回
  3. 1998年 - 第50回
  4. 2009年 - 『皇室の名宝―日本美の華』二期:正倉院宝物と書・絵巻の名品(東京国立博物館)

緑牙撥鏤尺 乙

  1. 1950年 - 第4回
  2. 1956年 - 第10回
  3. 1974年 - 第27回
  4. 1984年 - 第36回
  5. 1990年 - 『日本美術名品展』(東京国立博物館)
  6. 2000年 - 第52回
  7. 2019年 - 第71回

管理

名称 :緑牙撥鏤尺 甲

  • 倉番 :北倉 14
  • 用途 :儀式具
  • 技法 :牙甲角
  • 寸法 :長30.5cm,幅3.0cm,厚1.0cm
  • 材質:象牙 紺染 撥鏤 赤・黄の点彩

名称 :緑牙撥鏤尺 乙

  • 倉番 :北倉 14
  • 用途 :儀式具
  • 技法 :牙甲角
  • 寸法 :長29.8cm,幅2.5cm,厚0.9cm
  • 材質:象牙 紺染 撥鏤 赤・黄の点彩

参考文献

  1. 奈良国立博物館(2008)「正倉院展60回のあゆみ」奈良国立博物館
  2. 柿澤亮三・平岡考・中坪禮治・上村淳之(20000)「宝物特別調査 鳥の羽と文様」正倉院紀要第22号,p.25

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