正倉院のガラス器(しょうそういんのがらす)は奈良県奈良市の正倉院に伝わるガラス製の器である。
現在において正倉院に伝わるガラス器は6点がある。それぞれ来歴、すなわち製作年代、生産地、製作技法、伝搬ルート、収納年代が異なる。正倉院を設置した当時の天平勝宝八年(756年)6月21日には、ガラス製の器は1点もなかった。最も多かったのは建久4年(1193年)の24点であった。その後、入れ替わりや行方不明があり、最終的に6点とガラス器の底部断片1点が残った。
現存6点のリストである。
名称 | 製作年代 | 生産地 | 伝搬ルート | 収蔵年代 |
白瑠璃碗 | 7世紀末頃 | ササン朝ペルシャ | 不明 | 1612年(慶長17年) |
瑠璃壺 | 10世紀 | 西トルキスタン | 北宋 | 1021年(治安元年 |
白瑠璃瓶 | 9-11世紀ころ | 初期イスラム | シルクロ−ド | 1193年(建久4年) |
瑠璃坏 | 7世紀前半 | ササン朝ペルシア | 中国、新羅 | 1193年(建久4年) |
緑瑠璃十二曲長坏 | 不明(唐代から17世紀頃) | 中国 | 不明 | 1904年(明治37年) |
白瑠璃高坏8世紀 | 西アジア | 東大寺? | 1904年(明治37年) |
- 参考文献
- 由水常雄(1994) 『正倉院ガラスは何を語るか』中央公論新社
- ドロシー・ブレイア・岩田糸子・吉田晃雄・上松敏明訳(1998)『日本の硝子史』日本硝子製品工業会
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