縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、平安時代など日本古代史の出来事と検討課題の考察を行う。考古学の成果も取り入れ、事実に基づき、合理的な歴史の再構築を図る。

古代鏡(こだいきょう.Ancient mirror)は、古代に造られた中国、朝鮮、日本の遺跡から発掘される青銅製の鏡である。

概要

表面は鏡であるが、裏面には鏡面の背につまみと文様がある。形状には円鏡のほか方鏡・八花鏡・鈴鏡などがある。名称は銅鏡であるが、成分は青銅であり、銅70%、錫20%から30%、鉛10%弱が多い。

古代鏡は古代中国に起源があり、紀元前2000年頃である。日本や朝鮮など東アジアでも使われた日本の古墳時代には古墳の副葬品として用いられた。

鏡の用途

鏡の本来の役割は姿見である。古代中国では化粧道具とともに出土する例がある。しかし倭国では弥生時代から古墳時代において、霊力をもつものとして権威の象徴から祭祀の道具としても用いられた。古墳から出土する埴輪の中には巫女の姿を表す「巫女埴輪」があるが、その腰には呪具として鏡を付けているものが見られる。さらに前期古墳では大量に副葬する例がみられる。勾玉や銅剣とともに集団のリーダーの権威を表すものとしてみなされていた。7世紀から8世紀においては神仏信仰と鏡が密接なかかわりをもった。「信貴山縁起絵巻」の描く東大寺大仏の前面に鏡が据えられている。大安寺の資材目録には1275面もの鏡が「仏物」として所持されていた。

古代鏡の種類

成分分析

財団法人泉屋博古館と財団法人高輝度光科学研究センターは大型放射光施設(SPring-8)を用いて、古代青銅鏡の蛍光X線分析を行った。青銅鏡の主要成分である銅・錫中に含まれる微量成分の銀・アンチモンを高精度で分析することに主眼をおいた分析を中国・日本の古代鏡に関して行った。中国・日本の古代青銅鏡では、その製作時期・製作地域により微量成分特性に違いがあることが判明した。銀・アンチモンの2種類の微量成分に着目した。泉屋博古館?収蔵の青銅鏡95面を対象に測定を行った。内訳は紀元前3世紀から紀元3世紀にかけて中国で製作された鏡69面、紀元3世紀から4世紀にかけて日本で製作された鏡18面、三角縁神獣鏡8面である。その結果、時期と地域により、微量成分数値で大きく4グループを抽出できた参考文献1)。すなわち、
  1. 戦国時代〜秦時代グループ(中国:紀元前3世紀)、
  2. 前漢前期グループ(中国:紀元前2世紀)、
  3. 前漢後期〜三国西晋時代グループ(中国:紀元前1世紀〜紀元3世紀)、
  4. 古墳時代グループ(日本:紀元3世紀〜5世紀)

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